「自宅でカフェのようなコーヒーを飲みたい」と思う人は多いでしょう。しかし、いざコーヒーメーカーなどを導入しようとすると、何を買ったらいいのかわからないのではないでしょうか。
もし、味を追求するのであれば、焙煎したての豆をミルで挽き、ドリッパーにペーパーフィルターをセットしてお湯を注ぎ、じっくりとドリップさせるのがいいでしょう。しかし、本格的な機材をそろえるにはコストがかかりますし、何より手間がかかります。「自宅で本格的なコーヒーが飲みたい」というのは、「自宅で本格的なコーヒーを入れる手間をかけたい」ではないはずです。
ここでは、一人暮らしで本格的なコーヒーを「手軽に」飲みたい人向けに、ボタンを押すだけでカフェ並みの味が楽しめる、コーヒーメーカー&コーヒーマシンをご紹介しましょう。
コーヒーメーカー・コーヒーマシンのタイプ
いくらシアトル系コーヒーが好きでも、100万円以上するエスプレッソマシンを購入するのは難しいと思います。ここでは、現実的に購入できそうな10,000円前後のコーヒーメーカーやコーヒーマシンをご紹介します。
・ドリップ式コーヒーメーカー
昔ながらのドリップ式コーヒーメーカーは、コーヒーフィルターに挽いたコーヒー豆をセットし、給水タンクに水を入れておけば、スイッチ1つでコーヒーを入れてくれます。1杯ずつ入れるというよりは、4、5杯分を一度に作る物ですので、大勢で飲むには便利です。
また、ドリップ式のコーヒーメーカーであれば、コーヒー専門店で豆を選んで購入できますし、入れる直前にコーヒーミルでコーヒー豆を挽くこともできます。味や鮮度を考えると、コーヒー好きには魅力的な選択肢かもしれません。
しかし、一人暮らしでの使用を考えた場合、忙しい時間にコーヒーフィルターをセットしたりする手間はかけたくないですし、あまり多く作っても仕方がありません。また、豆の保存などにも気を付ける必要があります。コーヒー豆を冷蔵庫などにしまっても、完全に酸化を防ぐことは難しいでしょう。
・詰め替え式コーヒーマシン
詰め替え式コーヒーマシンは、コーヒーパウダーをコーヒーマシンにセットして水を入れておけば、ボタンを押すだけでコーヒーが楽しめます。機械によっては、タイマーで指定した時間にコーヒーを入れることができます。一人暮らしの場合、毎朝自動的に入れ立てのコーヒーが飲める魅力は、かなり高いのではないでしょうか。
しかし、詰め替え式コーヒーマシンの場合、コーヒーパウダーをマシンにセットしたら、なくなるまで使い続ける必要があります。お客さんが多く来る家ならいいですが、一人で同じ味を飲み続けていると、飽きてしまうかもしれません。
もちろん、コーヒーと水の割合を変えたり、コーヒー以外にカフェラテやカプチーノを作ったりすることはできますが、飲みきるまでに時間がかかると風味が損なわれる可能性もあります。
・カプセル式コーヒーメーカー
カプセル式コーヒーメーカーは、専用のカプセルをセットし、ボタンを押したりレバーを倒したりすることで、コーヒーを入れることができます。
一番のポイントは、コーヒー豆がカプセルに入っているため、光・空気・湿気がブロックされ、酸化を防げることです。これにより、味や風味を損なわずに、挽き立てと同様のコーヒーの味を楽しめるのです。
また、もうひとつのポイントとしては、味を変えることが簡単なことが挙げられます。例えば、「ネスカフェ ドルチェグスト」シリーズは、コーヒーカプセルとミルクカプセルを組み合わせることで、アレンジコーヒーが楽しめます。
一人暮らしの場合、用途ごとに何台も置くスペースは用意したくないですし、1台のコーヒーメーカーで、さまざまな飲み物を作れる利点はかなりあると思います。
コーヒーメーカー・コーヒーマシンにかかるコスト
コーヒーメーカーやコーヒーマシンの特徴がわかったところで、コスト面について考えてみましょう。
まずは、導入コストについてです。ドリップ式コーヒーメーカーは、機能などでかなりの差がありますが、6,000円くらいでも十分満足のいく製品が買えます。
ですが、詰め替え式コーヒーマシンやカプセル式コーヒーメーカーの場合、メーカーによってはコーヒーを定期購入することで、本体を無償で貸与されるプログラムがあります。例えば、「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ i[アイ]」は5,979円(税込)、「ネスカフェ ドルチェグスト」シリーズの「ジェニオ2 プレミアム」で9,800円(税込)しますが、どちらも無償で本体を使うことができるのです。
一人暮らしの場合、むしろ考えるべきはランニングコストでしょう。ドリップ式コーヒーメーカーの場合は豆の良し悪しで価格が大きく変わりますので、ここでは詰め替え式とカプセル式のランニングコストの差を見ていきましょう。
・詰め替え式コーヒーマシンのランニングコスト
「ネスカフェ ゴールドブレンド エコ&システムパック 105g」を使った場合、55杯もコーヒーを抽出できるとされており、1日5杯飲んだとしても11日間持ちます。値段も「エコ&システムパック定期お届け便」なら、1パック740円(税込)。1杯あたり約14円と、かなりリーズナブルです。
グレードの高いコーヒーである「ネスカフェ プレジデント エコ&システムパック 60g」でも、1杯あたり約27円しかかかりません。つまり、詰め替え式コーヒーマシンのランニングコストは、かなり安いことがわかります。
・カプセル式コーヒーメーカーのランニングコスト
カプセル式コーヒーの値段は種類によって幅がありますが、1杯50円から100円くらいとなります。つまり、詰め替え式コーヒーマシンに比べて、倍以上かかる計算になります。1ヵ月のトータルコストで考えるとかなりの差になります。
詰め替え式コーヒーマシンのランニングコストと比較するとデメリットに感じますが、飲めるコーヒーの種類そのものが違いますので、比較はできないでしょう。逆に、コーヒーショップで購入することと比較すれば、カプセル式でも十分低コストです。
コーヒーメーカー・コーヒーマシンに必要なメンテナンス
衛生的でおいしいコーヒーを飲むためにはメンテナンスが必要です。
一般的なドリップ式コーヒーメーカーの場合、毎回フィルターホルダーとコーヒーサーバー部分の清掃が必要です。
詰め替え式コーヒーマシンの場合は、例えば使用した日に「給水タンク」「コーヒー抽出部のカバー」「フィルター」「攪拌部」「攪拌部カバー」「ドリップトレイ」「ドリップグリッド」の清掃をしたり、定期的に「コーヒー計量器」「計量器底板」の清掃もしたりする必要があります。さらに、コーヒーパウダーを入れ替える際は「コーヒー計量器」「計量器底板」「計量器プレート」の清掃も必要です。
一方、カプセル式コーヒーメーカーの場合、メンテナンスといえば、カプセルを捨てることと、カプセルホルダーを洗浄することです。この作業は毎回必要ですが、あまり手間はかからないといえるでしょう。
カプセル式コーヒーメーカーが一人暮らしに向いている理由
コーヒーメーカーやコーヒーマシンについて、さまざまな角度から検証してきましたが、一人暮らしにはカプセル式コーヒーメーカーをおすすめします。
もちろん、詰め替え式コーヒーマシンは、コストやタイマー機能など魅力的な面もあります。しかし、一度コーヒーパウダーをセットすると、なくなるまで同じ味を飲み続けなければならないので、一人暮らしの場合は飽きてしまうかもしれません。また、詰め替え式コーヒーマシンは、清掃するパーツが比較的多く、少々面倒といえるでしょう。
その点、カプセル式のコーヒーメーカーは毎回違う味を楽しめます。清掃についても、カプセル式は1杯ごとにカプセルを捨てたり、カプセルホルダーをすすいだりする必要はありますが、それ以外のメンテナンスはほとんど必要ありません。このような扱いやすさも、一人暮らしに向いている理由のひとつです。
ですが、コーヒーを大量に飲みたいというのであればコスト面も重要ですので、すべての一人暮らしの人にカプセル式コーヒーメーカーがおすすめというわけではありません。
「多少コストはかかってもいいから、毎日いろいろな味を楽しみたい。でも、あまりメンテナンスをしたくない」。そんな人に、カプセル式コーヒーメーカーは最適ではないでしょうか。